秋になると出回る「マコモダケ」。名前は知っていても、実際にどう下処理して、どう料理すればいいのか分からないという声をよくいただきます。
ここでは、マコモダケの下処理の仕方、保存のコツ、そして家庭で試しやすい定番の食べ方をまとめてご紹介します。
マコモダケは、イネ科の多年草「マコモ」の茎の根元に黒穂菌(くろぼきん)という菌が共生することで、タケノコ状にふくらんだ部分です。見た目はタケノコや太いアスパラガスに似ていますが、味わいはまったくの別物。皮をむくと白くやわらかい可食部が現れ、加熱するとタケノコのようなシャキシャキとした食感と、ほのかな甘みが楽しめます。
一番水農園では、在来種の真菰の収穫が8〜9月、マコモダケの収穫は10月中旬ごろを中心に行っています。年によって多少前後しますが、店頭やオンラインで見かける時期の目安として覚えていただければと思います。
マコモダケの基本的な特徴や品種の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
マコモダケはアクが少なく、下処理はそれほど手間がかかりません。基本の流れは次のとおりです。
包丁の入れ方によって食感が変わるのも面白いところです。繊維に沿って縦に切るとシャキシャキとした歯ごたえが際立ち、輪切りにするとやわらかい食感になります。料理に合わせて切り方を変えてみてください。
マコモダケを切ったときに、中に黒っぽい斑点が見えることがあります。これは黒穂菌に由来するものと言われており、収穫時期が進んだ株にやや出やすい傾向があります。
食べても害はないとされていますが、気になる場合や斑点が多い場合は、その部分だけ避けて調理していただくのがおすすめです。購入時は、白くきめの細かい断面のものを選ぶと、より食感の良いマコモダケに出会いやすくなります。
マコモダケは水分が多く、常温では傷みが早い食材です。できるだけ早めに食べきるのが一番おいしくいただくコツですが、すぐに使いきれない場合は次の方法をお試しください。
マコモダケはクセの少ない食材なので、和洋中どんな味付けにも合わせやすいのが魅力です。ここでは家庭で試しやすい定番の食べ方をご紹介します。
薄切りにしたマコモダケを、バターまたはオリーブオイルで軽く焼くだけの一品です。塩こしょうだけで、マコモダケ本来の甘みと香ばしさがしっかり感じられます。仕上げに醤油を少し垂らすと、香ばしさが増して箸が進みます。初めてマコモダケを食べる方には、まずこの食べ方を試していただくのがおすすめです。
縦に切って衣をつけて揚げると、外はサクサク、中はほくほくとした食感に仕上がります。衣が薄めのかき揚げ風にしても、マコモダケの甘みが引き立ちます。天つゆはもちろん、塩でシンプルにいただくのもおすすめです。
千切りにしたマコモダケを、ごま油で炒めて醤油・みりん・砂糖で甘辛く味付けします。ごぼうのきんぴらとはひと味違う、やさしい甘さとシャキシャキ感が楽しめる副菜になります。お弁当のおかずにもぴったりです。
輪切りや薄切りにしたマコモダケを、油揚げやきのこと一緒に炊き込みご飯にします。マコモダケのほのかな甘みが米に移り、秋らしい一品になります。クセが少ないため、お子さんにも食べやすいと好評です。
味噌汁や中華スープの具材としても活用できます。薄切りにしてさっと煮るだけで、コリコリとした食感がアクセントになります。とうもろこしのようなほのかな香りが出汁とよく合います。
薄くスライスして、はちみつマスタードやゆずポン酢などさっぱりとしたドレッシングと和えるのもおすすめです。生に近い食感を楽しみたい方に向いている食べ方で、お酒のお供にもよく合います。
毎年マコモダケを育てていて感じるのは、収穫のタイミングによって食感や甘みが少しずつ違うということです。収穫が早めの株はより繊細でみずみずしく、収穫が進んだ株はやや歯ごたえが強くなる傾向があります。「今年のマコモダケはどんな食感かな」と食べ比べていただくのも、この食材ならではの楽しみ方だと思います。
また、皮をむく作業は少し手間に感じるかもしれませんが、断面から漂うとうもろこしのような香りは、むきたてならではのものです。可能であれば、購入したその日か翌日には一度調理して、フレッシュな状態を味わっていただきたいなと思います。
薄くスライスすればサラダなどで生食も可能です。ただし加熱するとより甘みが増すため、まずは加熱調理から試していただくのがおすすめです。
たけのこのような強いアクはないため、基本的にアク抜きは不要です。気になる場合はさっと下ゆでしてください。
料理によりますが、輪切りで厚さ1cm・5〜6切れ程度が副菜1人分の目安です。メイン食材として使う場合は、その倍量を目安にしてください。